2007年04月24日

西嶋亮 「鉄も銅も鉛もない国」

幻の探偵雑誌 1「ぷろふいる」傑作選 (ミステリー文学資料館・編)

第七回

「鉄も銅も鉛もない国」 作:西嶋亮


この作品は今までとは違って、ギリシア悲劇に出てくるような場所 (時代はもっと近代的ですが)が舞台の架空の国の話です。

最初に王を喪服の人物が殺し、その男は自分の姿を見た王室医を殺害。
現場には鋸屑が残されていた。
その後、少佐に王殺害の濡れ衣を着せられた王妃は処刑された。民衆はその事実を知り、貴族階級が元凶と奮起し革命が起こる。そして民衆は、鉄や銅や鉛のある文明から決別した。
時が経ち、元蹄鉄場の職工 イノガの残した自叙伝の中で、彼が実は王殺害に関わっていたことが書かれていた・・・

実際これはあくまでも僕なりの解釈なのですが、直接的な文章がほとんどなく、全体的に比喩的な表現で語られているので、多分こうなんじゃないかなって思いました。
発表されたのは1936年。まさに日本は戦時中。文明からの決別を思い描いたのでしょうか・・(だとすれば当時の検閲を逃れる為にわざと直接的な文章を避けたのか・・)
最後の 像が立っている所なんかは、まるで映画「最後の猿の惑星」のラストシーンを思い出しました。

かなり壮大な物語のひとコマのような話なので、30ページ弱の話にはあまりにも短く、もっと長編でこの話を読んでみたかったです。


posted by visualization at 01:58| Comment(0) | TrackBack(8) | 書籍 / 幻の探偵雑誌 ぷろふいる | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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